2015.09.14 Monday
売れる売れないのかすかな違い
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パンを専門にやっていた10年間は、

「なんでナショナルデパートのパンは売れないんだろうねえ」

とよく言われていた。


ももたんをやり始めてからは、

「どうしてあんなものが売れるのか、分からない」

とよく言われる。


面倒くさいので、最近は一言でピシャリと答えるようにしている。

“いいもの”と、“売れるもの”は、違う。


パンを専門にやっていた10年間、売れない期間も長かったけど、後半は催事やイベントを駆使して、小さいながらもいわゆる繁盛店とされる売上の水準までは無理矢理に持っていった。売れないとされる商材を売るということにカタルシスを感じていた。

ただ、そういう個人的な想いでやっていけたのは、この先も長く生きるという前提があったればこそ。自分にガンが見つかってからは、自分の死後もワイフが食えるようにと、ちゃんと売れる商品を作る必要に迫られた。それも短期間に。

じゃあいま、ももたんが売れているからといって、パンをやめるのかと言われれば、パンはやめない。30歳のとき、パンは生涯焼き続けると決めて始めたことだ。いまはスタッフに任せているけど、パンが僕の中のスタートであり、いまでも、商品作りの考え方の基本になっている。

売れるか売れないか、企画を考えている間に答えがかすかに出てしまうこともある。だけど、企画も通っていて、相手先もいる場合は止める訳にはいかない。企画中に迷いが出た時は、だいたい売れない。だから、売れないことを見越して、同時に売れる商品を準備してカバーするようにしている。

だからいまでも、売れるものと売れないものがゴッチャになっている。

売れるか売れないかのかすかな違いは、頭のなかに経験として蓄積されたもののような気がする。これはいい出来だ、素晴らしいレベルに仕上がった!と喜んでいるうちは売れない。アイデア出しから難産で困り切った挙句にひねり出す「売れる」感触。このほんの些細な機微だけで売れるか売れないかが決まる。

なんで売れるか売れないかの差が「かすかな差異」なのか、それは売場でお客さんが商品を見て買うかどうかを決める判断が一瞬だから。長い時間をかけて作ったものが良いものではなくて、お客さんが買うかどうかを悩んでいるときに、心に訴える何かが、心に刺さるかどうかだけで決まっているようにも思う。

だから10年間改良し続けたパンより、一瞬で思いついたももたんの方が売れる。違いはわずかなんだけど、結果は大きく変わる。あんなもんが売れるなんて理解できないとよく言われるが、誰も他人がどうやってものを買うかなんて真理は分かりっこない。



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